祝!1000回

5月16日、昼の部は記念すべき市川猿之助さんの宙乗り1000回です。

演目が発表になったときから松竹座に行くことは決めていたのですが、1000回を迎えると知ってこの日に決めました。

記念の日だからでしょうか、昨夜に比べると着物の方がとても多かったです。

 

一つ目は『戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)』、初めて見る演目です。

幕が開くと一面菜の花と桜が満開の京都、ため息がでるような美しさ🌸

勘九郎さん、児太郎さん、歌昇さんの舞踊劇です。勘九郎さんの踊りは久しぶりに拝見します。お父様の勘三郎さんの襲名の際に観た『雨乞狐』に感動したことを思い出します。のちに勘三郎さんが“踊りは俺より上手い”とおっしゃっていたのも頷けました。

 

そして二つ目、いよいよ『金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)』です。

幕が開く前から客席の空気が違いました。きっと役者さんたちにも伝わったことと思います。

前半で際立つのは七之助さん演じる七綾姫の美しさ。頼光(勘九郎さん)を慕う清姫(猿之助さん)が、二人が恋仲と知り嫉妬する気持ちがよくわかります。やがて嫉妬に狂って蛇体となった清姫と、同じく二人に嫉妬し鬼となった忠文(猿之助さん)の霊が合体し、前半のクライマックス宙乗りを迎えます。

猿之助さんの足が舞台を離れた瞬間から割れんばかりの拍手と大向こうさんの声!それにこたえるように猿之助さんはゆっくりと客席全体を見渡してくれているようでした。

宙乗りで前半は幕となり休憩なのですが、会場の熱は冷めないまま後半の幕が開きました。

七綾姫と頼光の祝言の席に現れた白拍子、やがて清姫と忠文の怨霊となり七綾姫と頼光に襲い掛かります。そこへ退治に現れた藤太・歌昇さん。うれしいことに台詞のなかで1000回を祝ってくれました。もちろん客席は拍手喝采です!

幕が下りたあといつまでも手拍子が鳴りやみませんでしたが、残念ながらカーテンコールはなし。でも歌昇さんの台詞があったのでみんな大満足だったと思います。

 

飛行機の時間があったので、会場で余韻に浸る間もなく空港へ向かいましたが、行ってよかったと心から思える二日間でした。